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トリノの冬季オリンピックも無事に終了し、米国は前評判の高かった選手の不振が多少あったにせよ、結果ドイツについで2番目のメダル獲得国となったので、関係者はほっとしているようです。私も別な意味で日本がメダルゼロで終わるのかと思いヒヤヒヤしていましたが、フィギュアスケートで1個金メダルが取れて、ちょっとほっとしています。米国でのオリンピック観戦は、時差の関係で、プライムタイムでNBCが放送する時は、すでに結果がわかっていることが多く、ゲームの臨場感が今ひとつない、バブルのないシャンペンといった感じです。私は毎日5時起床、夜10時就寝というタイムスケジュールのため、実際に競技者の演技を見たのは、2月25日の土曜日NBCのオリンピックサイトで、3時間ぐらい時間をかけてのオンライン上でヴィデオ観戦しました。スーパーボウルの時もそうでしたが、最近の私のTV視聴形態は、ウェブサイト上で行うことが多くなり、空いた時間を見つけては、日ごろのTV視聴の遅れを取り戻すべく、PCのモニターを見つめることが多くなっています。 おとといのオスカーナイトも、またしても、昨日の早朝、オンラインで結果を振りかえるといった感じになってしまいました。おとといの日曜日は、月曜日の朝、夫が午前2時に自宅を出て、仕事に向かうため、我が家のディナーはなんと5時半にセットアップし、彼は7時には就寝というスケジュールでした。残された私は、「さあ、ゆっくりオスカーナイトを楽しむぞ!」と、意気込んで、ワイングラスを片手に、1人リビングルームのカウチに手足を伸ばして横になりました。助演女優賞受賞の「Walk the Line」のReese Witherspoonの興奮したスピーチまでは覚えていましたが、気がついたら、時計は10時半。肝心の最優秀映画賞、監督賞、主演男女優賞など、メインの部分を見過ごして、話題の「Brokeback Mountain」が、「Crash」に敗れたのは、ニュース番組で知ることとなりました。 今回のポイントは、「Gayphobia(スラング:ゲイやゲイに関するすべてを恐れること)」のアカデミーが、ゲイ・カウボーイのラブストリー「Brokeback Mountain」に、オスカーを渡せるかどうかというところでしたが、やはり、このフォビア克服はそう簡単にいかなかったようです。それでも、主演女優賞の候補に性転換者を描いた「Transamerica」の主演女優Felicity Huffmanが入り、主演男優賞は、ゲイの作家として有名なトルーマン・カポーティを描いた「Capote」のPhilip Seymour Hoffmanが獲得し、最優秀監督賞は、「Brokeback Mountain」の監督Ang Leeが獲得したので、ハリウッドのGayphobiaへの抵抗感はかなり薄まっていると、実感します。 アカデミーのようなメジャーイベントで、今回ほど、「性に関する個々人のオリエンテーション」が、一般的な話題になったのも珍しく、我が家の食卓でも大いにこの件で盛り上がりましたが、この流れは、ゲイ・コミュニティに関する一般の理解へとつながり、いろんな人がクローゼットから出てくるきっかけになると思います(behind the closet:クローゼットの中で、隠れているように、ゲイが自分がゲイであることを社会に隠していることあらわす表現)。 なんでもそうだと思いますが、「Phobia(恐れ)の克服」、これが決め手です。社会や人々が「違うことを恐れなくなる」と、風通しが良くなって、すごしやすい社会になります。 「違うことは面白いし、みんな同じだとつまらない」と思うのは、私1人じゃないと思います。
by hisamioh!
| 2006-03-08 05:17
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