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またしてもブログを書いていない日々となっています。 昨年の10月にも同様の情けないブログを書きましたが、今回も日本出張、母の米国訪問と滞在、コラムやレポートの執筆などで、6月半ばから7月半ばまでの一ヶ月は「Blogless(ブログレス)」の日々です。 現在もいろんなレポートの締め切りがどんどん迫っていますが、気になっている自分のブログを書かねばという気持ちで、タイプを打っています。 以下はブログ関連のデータです ・2006 年 5 月 3 日時点でのブログ数は 3,770万 ・ブロゴスフィアは 5.5 か月ごとに倍増し、インターネット人口の代表格に急進 ・新規ブログが毎秒誕生 (1 日あたり 7万5,000) ・ブログのおよそ 95% が英語を使用 ・ブログ作成後 3 か月経っても 1,940万 のブロガーが更新を継続 (Source: Technorati and Umbria research) マーケティングとの関連性から見ると ・ブログは購買者およびインフルエンサーに影響を与える: ジャーナリストの 43% がリサーチや事実参照にブログを使用。33% がニュース速報やスキャンダルの発見にブログを使用。 ・WOMはもっとも堅実なインフルエンサー: 初期認識から最終購入まで、購買サイクルの全局面を通じ、WOMがトップ インフルエンサー (Source: RSCG Magnet & Columbia University, 06 2006, Doubleclick Touchpoints survey) ここで凄いと思うのは、95%が英語で書かれていることと、ジャーナリストの43%がリサーチにブログを活用し、33%がニュース速報やスキャンダルの発見のソースとしてブログを使っている点です。 私が読むブログはほとんど英語なので、95%が英語であるという事実を意識することはあまりありませんでしたが、もし日本語のブログのみを読んでいると仮定すると、ブログ世界の95%の情報にリーチしていないこととなり、これはちょっとまずい状況だと思います。また、既存のプロのジャーナリストたちがブログを情報源として活用している数字も増大しており、そうしたブロガーに対するジャーナリストたちの真贋を見分ける目利きも重要な観点だと、改めて認識しました。 自分はBloglessな状態ですが、他の人たちのブログは読んでおり、最近面白かったのは 「Valley baby boom」というブログです。シリコンバレーの女性たちが最近目立って子供を出産しているというブログで、シリコンバレーの女性のブロガーAshley Richardが、これはWeb 2.0より先を行く、 アントレプレナー的なシリコンバレーのトレンドだとして、紹介しています。 確かに全米一と言われるぐらいに住宅購入や教育・生活費が極端に高いシリコンバレーで、しかもしょっちゅうレイオフされる可能性があるテクノロジー企業で、子供を持つというのは、並大抵のアントレプレーシップではできない野心的な試みです。それを実行している女性たちは、はっきり言って「凄い」と思います。 #
by hisamioh!
| 2006-07-18 23:39
今日は米国の独立記念日で、さらに母の日本帰国の日でした。初めて米国を訪問した母をサンフランシスコ空港に送ってきて、今は、自宅から星条旗がはためく街並みを眺めています。 6/21に母と一緒に日本から米国に戻り、母の2週間の初の米国体験は無事に終わりました。空港のセキュリティで、涙をこらえながら、ゲートに向かう母の後姿を見て、思わず私も目頭が熱くなり、やせて小さくなった母をいつまでも見送っていました。 英語が話せない母が1人で飛行機で日本に帰国することを考えると、本当に心配で、今も太平洋を飛んでいる母のことが気になっています。 母の2週間の米国体験は、驚きの連続だったようです。彼女が発する言葉は、11年前にアメリカに移住してきた頃の私と同様のもので、マスメディアを通じて知っていたアメリカを、自分の目で見て実感した母は、日米の違いに改めて新鮮な感動を実感いたようです。 母の行動は精力的です。 ・まずは、お待ちかねの「メジャーリーグデビュー」: 6/24(土)、メジャーリーグの大ファンである母はサンフランシスコ・ジャイアンツ vs オークランド・アスレチックスのゲーム観戦です。デイゲームで、自宅からフェリーに乗って、SFダウンタウンに到着したあと、夫と3人でボールパークまで歩いていきました。母は、足がだいぶ弱っていますが、私の腕につかまりながら、「メジャーリーグデビュー」という呪文を唱えながら、がんばって歩き、無事にChina Basinまで到着しました。試合は、Barry Bondsの719号ホームラン(彼はその日はオフのはずでしたが、本人の希望で出場したというおまけつき)、ジャイアンツの逆転勝ちという好ゲーム。母は、「I was there」というベリーがホームランを打ったゲームにいたという記念のピンをもらって、球史の証人になれたと大喜びでした。 ・サンフランシスコベイでの「セーリングデビュー」: 6/29(木)、夫と3人で友人のセールボート、仏製のJeanneau(ジュノー)の51フィートの「Polonaise Ⅱ」で、ベイセーリングに挑戦。天気もよく穏やかな気候で、ビギナーの母にとってはちょうど良いセーリングとなり、ジャイアンツの球場のあるSouth Beach Harborに向かって、船を走らせました。ハーバーには、日本の国旗がはためくセールボートEmu Ⅱが停泊しており、声をかけると、大阪から2ヶ月かかってサンフランシスコに到着した隻腕のヨットマン、米子昭男さんが出てきました。彼は片腕の世界無寄港のセーリングにチャンレンジしたセーラーで、植村直己冒険賞を受賞している方です。久しぶりに日本語を話せたのが、嬉しかったようで、うちの船の中で、今までのセーリングの話を大いに語られていました。 ・ルーズベルト大統領専用ヨットPotomacの船内視察: 7/2(日)、夫もクルーとして乗り込むことのある、ルーズベルト大統領専用ヨット「ポトマック号」の船内見学。私と一緒に、英のチャーチル首相とルーズベルト大統領が座ったファンテールというソファで記念撮影。500万ドルかけて修復されたポトマックは、大統領の死後、一度はエルビス・プレスリーもオーナーとなったこともある歴史的な船です。ボランティアのWandaの説明やビデオを見ながら、船内をくまなく見学して、大統領夫人であるエレノア・ルーズベルトの業績もしっかり拝聴して、歴史を大いに学びました。 ・アメリカの一般市民との「コミュニケーションデビュー」: 2週間の米国滞在中、毎朝必ず自宅の近くを探索していた母は、道すがらほとんどのアメリカ人が必ず挨拶をしてくることに、すっかり感心していました。彼女は英語が話せないことを気にもせずに「ハーイ」を連発して、先方がそれ以上を英語で語りかけると、すぐに日本語に切り替えて、身振り手振りを交えたコミュニケーションで、米国の一般市民との社交を単独で行っていました。どうやら、私の度胸のよさは彼女譲りのようです。 もちろん、これ以外にゴールデンゲイトブリッジやサウサリートなどの観光名所も押さえて、シリコンバレーや太平洋岸のハーフムーンベイまで、足を伸ばしており、さらにガーデニングが大好きな彼女は、我が家のバックヤードにトマトや日本きゅうりまで植えて、大いに満足したようです。 滞在中、彼女の言葉で記憶に残ったのは、 「アメリカはいろんな人種がいて、まるで五目御飯のようだ。白米だけのご飯より味がある」 「誰でも、目があえば、にっこり笑って挨拶をする。日本だったら、まず知らない人と目をあわせないし、ひどい時には、年寄りは突き飛ばされてしまう。」 「台所のカウンターが高くていいね、これなら、料理をする時にかがむ必要がない。つくりがすべて合理的だ」 「なんで、日本はこんな大きな国と、戦争をしたんだろうね。まったくばかげている。」 「国旗を誇りを持って掲げられるアメリカはいいね」 彼女のつぶやきには、確かに真実の感動や感慨があり、私も多くのことを考えさせられました。 私にとって最も大きな収穫は、「母と11年ぶりに過ごした濃密な母と娘の時間」です。自分が米国で元気で生活していけるのも、すべて両親が私に健康で頑丈な精神と肉体を与えてくれたからです。この2週間は、17年前に父が亡くなった以来、1人で生きる母への親孝行のチャンスでもあり、母へは感謝の気持ちで一杯です。 母の誕生日は日本の建国記念日の2/11で、私にとって、この日は母と僕の誕生日で、二重の意味を持つ日です。今朝、夫は仕事に出かける前に、母に「今日はアメリカの誕生日」と言って独立記念日のことを話していました。 アメリカ人は独立記念日をみんな楽しみにしています。大人も子供も、みんなイスを道路に持ち込み、独立記念日のパレードを見守り、ブルー、レッド、ホワイトの3色が街中にあふれています。アメリカの誕生日は、さわやかな風にふかれて、大小の星条旗がはためく、気持ちのいい日です。 #
by hisamioh!
| 2006-06-29 05:37
事前の打ち合わせで、私の原稿が長いので、相当、パワーポイントの枚数を削って、これで15分で収まると、踏んで舞台に上がりました。 しかし、だめでした、「おしゃべり大柴」のエンターテイナーの精神は、とどまるところを知らず、15分の持ち時間のところを、30分も話してしまいました。 MMC 2006の最新情報は、このサイトで見てください。 1400名の方たちの前でしたが、あがることもなく、オーディエンスの顔を見ながら、誰も寝ていないか、ケータイでメールしていないかなど、壇上でみんなの行動をチェックしながらのプレンゼンで、いつものことながら、「踊り子大柴ひさみ」状態で、パフォーマンスをしました。 パネルが終わったあとの反響も大きく、私のエネルギーを感じていただいたようで、米国最新のオータナティブなマーケティング事情は、好評でした。 私のプレゼンの結論は、「P2P Marketing」しか、もう効かない。 「Let Influencers drive your marketing」 の考えで、CGM Relationsにフォーカスして、生活者と話しながら、彼らにマーケティングをしてもらう、そんな仕組みを作れる企業が、成功する、それが今の時代の結論です。 #
by hisamioh!
| 2006-06-13 22:34
久しぶりの日本出張で、入梅した日本に、6/8、到着しました。 今回は、私にとって特別の意味を持つ日本行きです。理由は、米国移住以来初めて、母をサンフランシスコに連れてこられるからです。母にとって、今回が初の海外旅行で、11年間ずっと誘い続けた結果、やっと決心してくれました。彼女が固辞していた理由は、「ひさみが仕事で忙しい時に米国へ行って足手まといになるのは嫌だ」という理由でした。決心した後、母はパスポート取得のために、一気に本籍まで移して(自由が丘から国分寺市)は、手続きに走り回りながら、大いにボルテージをあげており、気分はかなり「ハイ」になっています。 今回の来日の目的は、6/12開催のMMC2006 (Mobile Marketing Conference)のコンファレンスのパネリストとしての参加です。昨年は、太平洋半分横断セーリング航海のために、ライブで東京に来ることができず、ビデオで参加しましたが、今年はライブ出演で、1500名のオーディエンスの前でのお話となります。今も当日のプレゼンテーションの原稿の手直しをしています。 最近は、すっかりWOM (Word of Mouth)を活用したオータナティブなマーケティングの戦略開発実施にフォーカスしている私ですが、クライアントは日本企業のために、実際は常に日米間の「ビジネスの体温の違い」に四苦八苦しています。すでに滞米生活は11年を超えて、米国人血中濃度がかなり高い私にとって、この「体温差」を感じると、「あーまたか」と右肩の凝りを覚えます。 日本の企業とのミーティングで最も頻繁にでて来る言葉は以下です。 「上が理解できない」 「社の方針だからしょうがない」 「どうやって社内を説得するか?」 「前例がないので」 こうした言葉が出てくる背景には、 ・日本ではプロジェクトの「担当者(Contact Person)」がいても、 ・「責任者 (In charge of, or Decision Maker)」はいないという実態です。 米国式がすべて良いわけではありませんが、この日本式の「担当者」とビジネスをすると、とにかく「社内調整という妖怪のような責任の所在が不明なモノ」に時間がかかり、米国側のプロジェクト参加者の「Momentum(モメンタム:勢い)」を失うことがしばしばです。 東洋にも「一気呵成」という言葉があるように、物事を成し遂げるには「スピードと勢い」が重要です。それがあれば、多少の困難や課題も、みんなの「気」の集合体が、思いもよらないほどの力を生みだしし、物事を成就できます。私自身、「思った瞬間に、すでに言葉が口から出て、身体も同時に動くタイプ」で、意思決定が異常に早い性格です。モメンタムをそがれることは、こうした私のアドバンテージをそがれることも意味し、やりにくくなることがしばしばです。 初の米国訪問に意欲を見せる母を見ていると「モメンタムと一気呵成」という言葉が浮かび、彼女のアドレナリンの上昇を、ひしひしと感じます。母の2週間の米国滞在中は、仕事をしながらでも、母にきちんと親孝行できるように、私のアドレナリンも大いに上げて、楽しみたいと思います。 コンファレンスでは、「よーし、目いっぱいエネルギーを放出するぞ!」という気分です。 しかし、日本は蒸し暑い!!また、蚊にも刺されてしまい、思わずキンカンをつけました。これは効く。 #
by hisamioh!
| 2006-06-10 16:34
昨日は、Enron(エンロン)のトップ2人、Kenneth Lay(ケネス・レイ)とJeffrey Skilling(ジェフリー・スキリング)の有罪判決が決定して、1990年代末から200年初めにかけて起こった米国の大企業の株価操作のための不正会計操作、インサイダー取引など、一連のCEOたちのホワイトカラークライムの一つのけじめがついたことで、みんながほっとした日でした。 2001年当時600億ドル以上の市場価値があったエンロンは、このGreedy(強欲)な経営者たちのミスリードによって、株価の下落と倒産を招き、社員はおよそ21億ドルの年金を一瞬のうちに失い、5600人が解雇され、多くの株主に多大な損害を与えました。米国ビジネス史上の最悪のスキャンダルの一つとして、「エンロン崩壊」という言葉で、話題になり、私も当時はこの事件にかなり関心を持って、以下のようなコラムを書いて、事件を見守っていました。 番犬と道化師の役割 (The Roles of Watchdogs and Fools) *ベイエリア最新事情2001年12月24日* カモフラージュ・メイクアップ-エンロンの場合 (The Camouflage Makeup-Enron) *ベイエリア最新事情2002年1月25日* 失われた企業モラル (The Loss of Corporate Ethics) *ベイエリア最新事情2002年6月22日* あれから5年が過ぎて、やっと、創立者・会長・CEOのレイは、最長165年間、CEOのスキリングは最長185年の受刑を宣告されました。すでに10年間の受刑が確定しているCFOのAndrew Fastow(アンドリュー・ファストウ)は7月から塀の中に入り、レイとスキリングはいみじくも「9月11日」から始まります。この4ヶ月かかった2人の裁判で、検察側の切り札が元CFOで一連のエンロンの不正会計操作の設計者だったファストウです。彼は、彼の妻をエンロン事件の関係者として1年間の受刑生活をさせており、トップ2人とすべて協議の上で行ったと証言して、2人を一気に不利な状況に落としこんでいます。 いろんな報道や陪審員・関係者の発言で、頻繁に出てきたのが、「Liar(嘘つき)」という言葉です。米国では、間違いや悪事をしても、それを正直に認めて、今後二度とそれを繰り返さないと誓う姿勢を評価します。反対に、「正直に話さない=嘘をつく」ことを嫌い、レイとスキリングが、「エンロンが倒産するほどひどい財務状態であったことは知らなかった」と言ったことに対して、「社員と一般投資家と株主に嘘をついた」として、鋭く非難しています。 このエンロン崩壊に限らず、多くの大企業のCEOたちが行ったホワイトカラークライムは、米国ビジネスの「Greedy(強欲さ)」の象徴として、多くの非難を招き、それを受けて検察側も必死の努力により、徐々に塀の中にCEOたちを送り込んでいます。 Bernard Ebbers, 64 | GUILTY Former chairman & CEO, WorldCom Dennis Kozlowski, 59 | GUILTY Former CEO, Tyco International Frank Quattrone, 50 | CONVICTION OVERTURNED Investment banker, Credit Suisse First Boston John Rigas, 80 | GUILTY Former chairman and CEO, Adelphia Richard Scrushy, 53 | NOT GUILTY Former chairman and CEO, HealthSouth Martha Stewart, 64 | GUILTY Founder Martha Stewart Living Omnimedia また、現在SECによって調査進行中のCEOたちへの巨額な報酬の一部である「ストックオプションのバックデイト」問題には、SF Chronicleによれば、以下のような企業の名前があがっており、何らかの問題で巻き込まれる可能性があるとしています。 Altera, San Jose -- internal inquiry Cnet Networks, San Francisco -- internal inquiry Juniper Networks, Sunnyvale -- U.S. attorney investigation KLA-Tencor, San Jose -- SEC investigation McAfee, Santa Clara -- internal inquiry Mercury Interactive, Mountain View -- SEC investigation Openwave Systems, Redwood City -- SEC investigation Power Integrations, San Jose -- internal inquiry Trident Microsystems, Sunnyvale -- internal inquiry Zoran, Sunnyvale -- internal inquiry Source: Company reports, Chronicle research この「ストックオプションのバックデイト」も、「日付をさかのぼる嘘」によって、ストックオプションを実際に売る時点との差額で、莫大な利益を経営者たちにもたらします。これは企業の会計において損益の数字を変えることを意味し、さらに、それは投資家へ嘘、あるいは納税の不正申告へとつながる可能性を秘めています。 「嘘つきは泥棒の始まり」、これはどうやら真実のようです。 #
by hisamioh!
| 2006-05-26 09:29
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