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昨日、ビジネスウィークを読んでいて、久しぶりにブランドについて考えてみました。26年前に広告代理店に入社した私は、それ以来常に「Brand」や「Branding」という言葉を意識して生活していると言っても過言ではありません。特に日本時代は外資系広告代理店の担当営業として15年間勤務していたので、これらの言葉に追いまくられていました。 個人的には、高級ブランドのロゴが入るような衣服、アクセサリー、バッグなどを一切持ったことがなく、1980年代のバブル全盛期には、業界でヴィトンのバッグ、ローレックスの時計(オイスター)を持たない貴重な女性として、逆に評判になったぐらいでした。シャネルやヴィトンのように、遠くから一目でわかるロゴマークの製品は、先方からお金を払って広告してくださいと言われない限りは、自分で購入しないという信念があり、今までその手の高級ブランド品を身につけたことはありません。 そんな私が、先日出張先で大のお気に入りのサングランスをなくしてしまいました。これはEmporio Armaniですが、小さく書かれたブランド名はまず他人にはわかず、本人も買った後でEmporio Armaniであることに気がついたぐらいの普通のサングラスです。この微妙なブルーグリーンのサングランスに似たモノを探すべく、モールを駆け回りましたが、見つからず、ついに似たようなのを見つけました。それはなんとロゴマークがばっちり目立つシャネルのサングラスでした。泣きたくなるような気分で、それをかけてミラーの前にたちましたが、どこから見てもシャネルのサングラスで、私はかぶりを振りながら、はずして、お店を去りました。 最終的には、Ralph Laurenでしたが、目立たないロゴの入れ方で、色が非常によく似たサングラスを見つけて購入しました。今でも、眼鏡のつるの留め金部分にシャネルのロゴが入ったあのサングラスをかけた時の恐怖は去りがたく、それはあえて言うならば「シャネルというバーコードを顔に貼り付けられたロゴマーク恐怖症」とも言うべきものです。あれ以来、シャネルのロゴマークへの恐怖は、一種のトラウマとして、Imprinting(刷り込み)されてしまいました。 ブランドというものには、それを万人が好むか好まないかにかかわらず、おのおの強烈なイメージを所有しています。この強烈なイメージがないものは、いわゆる「ブランド」とは言えませんし、このイメージに対して、人々は個人的感情を持って接することになります。この個人的な感情がくせ者で、しばしばこの感情が、一般の人たちに、そのブランド所有者を見る時のステレオタイプなイメージを植え付けます。 私は、シャネルやヴィトンを非難しているわけではなく、ロゴマーク恐怖症なので、単に好まないというだけです。それでも、遠くからでもすぐにわかる「iPod」には、今のところFall in loveです。便利で簡単な操作、大きな容量で持ち運びに便利な「iPod」は、やはり良いです。
by hisamioh!
| 2005-07-29 07:50
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