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昨日は、NHK BS1のディレクターから、突然の番組協力の依頼のメールと電話があり、「きょうの世界」という、毎週月曜から金曜22:45~24:00放送の番組に取材協力しました。 放送は日本時間の11月11日で、すでに終わっていますが、アメリカのABC放送で10月21日にオンエアされた番組「ヘリコプターママ」についての紹介です。私が昨年書いた「ジェネレーション Yシリーズ」のコラム、「ブーメランキッズ」の中で、「ヘリコプターママ」に触れたことから、検索されて、コンタクトしてきたようです。 「ヘリコプターママ:過干渉・過保護な母親」:ヘリコプターが上空でホバリングしながら常に監視するように、子供の生活すべてを監視して、何でもやってあげようとする母親のことで、最近は小さな子供のみならず、大学生の入試手続きまで、すべて母親が面倒を見ることが多くなってきています。 ブーメランキッズのコラムでも書きましたが、かつては、成功した男性がその競争を勝ち抜いた結果として、若くて美しいトロフィー(賞品)のような妻を得ることを「トロフィーワイフ」と言いましたが、最近は、常に同世代と競争してきたブーマーズの親が、その競争原理を自分の子供に持ち込み、最高の教育と贅沢なものを与えて、自分のために最高の子供を創ろうとして、子供を「トロフィーチルドレン」として、扱う傾向があります。 その結果として、「ヘリコプターママ」のような、 毎日メールで大学生の子供の様子を尋ねる、異常とも思えるほどの子供への監視・干渉が出始めているようです。 ブーマーズもジェネレーション Xも、親との関係は、現在のジェネレーション Yとは違って、距離や考え方の違いがある、従来の親子という上下の関係で成り立っていました。ところが、最近の親子関係は、親の方が子供に対して「友達のようになりたい」という並列の関係論を求めています。以下の数字は、調査会社Synovateが行った12歳~30歳までの子供を持つ親1,000人の調査のものです。 ・43%の両親:子供の親友になりたい ・40%の両親:できることなら、子供が望むものはすべて買ってあげたい ・73%の両親:最近購入した製品は、子供が喜ぶだろうと思って買った こういう数字を見ると、過剰な子供への注目が、子供をスポイルする結果となって、彼らが親から離れて厳しい現実に直面する時のことが、非常に心配になります。 すでにジェネレーション Yは、社会人として現実に働きだしていますが、企業側は、彼らの自己中心的(自分が行ったWorkに対して、常にPositiveな評価やコメントを求める)な勤務態度に、困惑しているようで、これから現実社会における、こうした世代間のコンフリクトは、増えてきそうです。 子供にはすでにたくさんの友達がいます。彼らに必要なのは、Reality TVやヴィデオゲームのような虚構の世界ではなく、責任と愛情を持って、現実の人生の美しさや厳しさを教えてくれる「親」だと、私は思います。
by hisamioh!
| 2005-11-12 01:06
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